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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
それから再び静けさを取り戻した保健室…
「…お前、この熱。いったいなにがあった…」
「ヒッ…、ク、っ…」
ベッドに横に寝かされ、涙で顔をぐしゃぐしゃにするアタシの制服のリボンと、ブラウスボタンをひとつずつ外していく先生が声と表情を曇らせる。
「…いつからあんな場所にいたんだ。たまたま外に用事があって、廊下に出たところで偶然見つけられたからいいものの…」
いつもより少し強い口調なのは心配してくれている証拠だ。
「…もしそうじゃなかったら…ッ」
「ふッ…ぇ…、ッ…」
あの瞬間、聞き慣れた黄色い悲鳴が凍りついて、それが瞬く間に真っ青になった。
だけどすぐには自分になにが起きたかわからなくて、抱き締められるように受け止められたのが白衣の胸元だとわかった途端、堰を切って込み上げてきた安堵感にあれから嗚咽が止まらずにいる。
「ごめんな…さ…ッ…」
「…いい、もう黙ってろ」
それから、より騒がしさを増した周囲に一瞥もくれることなく抱き上げたアタシの、尋常じゃない容態を察したときの先生のあの表情が目に焼き付いて離れない。