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if…─もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
第1章 もしも、ちーちゃんが女子高校生だったら…
「ッ…、あとちょっ…と、ふっ…ンン!!」
─西日が差し込む放課後の図書室で、遥か高みにある目標物へ必死に背伸びをするアタシ。
取りたいのはあの本だ。だけど棚が高すぎるのか、アタシが小さすぎるのかその距離はいっこうに縮まらない。
…と、
「取りたいの…これ?」
必死に伸ばしていた自分の手よりも先に、隣から伸びた大きな手がすんなりとそこへ指をかけた。
「ここの本棚、女のコにはちょっと高すぎるよね」
「あ、ありがとう…」
「あはっ、どういたしまして♪」
柔らかな声に振り替えるといつもの彼がいる。
制服のブレザーにつけられた学年章はひとつ下。どこか知性的で品のある、だけど笑うと無邪気で人懐っこい可愛い顔…
そんな彼と初めてあったのもこの場所だった。
すると、
「…セーンパイっ♪」
徐にアタシの後ろに回った彼が、本棚にそっと手をついた。
棚と彼に挟まれる形になって、少し薄暗くで静かな空間にドッと自分の鼓動が跳ねる音がこだまする。