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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第18章 言い争い
(……けど、心配だから着いて行こうかな……)

誠はそう思い、コソッと後を着いて行く事にした。

萌のことになるととことん心配をする誠。

それは昔から変わらない。

(でも痴漢しちゃったんだけどね)

てへぺろみたいな一昔前に流行った事を思いながら、コソコソと保健室に向かう。

(っとあぶねー)

唯と鉢合わせる所だった。

(……けど……ゆうちゃんが言ってた言葉が本当なら?)

誠は考える。

何か大きな過ちを犯してないと良いのだが…。

誠の懸念は的中。

のちのち大きな騒動になる事は今の誠に知れた事ではない。

保健室の隙間を空け、誠は状況を見ることにした。



ピシ…とした緊張感が漂い、向かい合わせに萌と唯が座り、間の席にゆうが座ると言うポジションで、座っていた。

「それで、なんですか?話って?」

棘のある口調の唯に、萌は少しムッとした表情を浮かべ、

「唯ちゃんと榎本くんの話よ!」

と言う。

ゆうは、そんな萌に

「萌ちゃん落ち着いて…」

と、話しをするが、萌はヒートアップしているようで、

「何それ。全然知らないんだけど。」

と、唯は言う。

「挨拶したのに返さなかったり、部活で音ズレたりしていたら鼻で笑ったり。そんな事全然唯ちゃんした事なかったじゃない!」

そう言う萌に

「あんた、邪魔なのよ」

と、一言で返す唯。

「邪魔ってだけで、そんな態度取れんの!?あんた何様よ!」

萌は怒りに燃え、唯の胸ぐらを掴みそうになるのを

ゆいが

「萌ちゃん。少し落ち着こうね」

と、背中を撫でる。

萌は怒りが治らない。

ゆうは
「本題はそこじゃないの。金曜日の日、まこちゃんと萌ちゃんが通り魔に追い掛けられてる。その前から、目撃情報が多いのよ」

そう言うゆうに、唯が

「それと、榎本くんと私が何か関係でもあるんですかぁ?」

と鼻で笑うのを見て

(この子とはもう友達じゃない!)

と思いつつ、萌が激昂する。
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