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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第19章 お料理の時間
ヒック……ヒック……

ベッドの上に誠が横たわり、その上にしがみつくように誠の胸元で泣いている萌。

保健室が出た後から泣き通しで、このままでは公共交通機関は使えないと踏んだ誠は、スマホでタクシーを呼び、家に連れてきていた。

(警察の巡回時間以外だけど、タクシー捕まえられて良かったぜ…)

と、思いつつ、誠の制服は萌の涙と鼻水でビカビカに光り、

「ちょっと待って!まず着替えさせて!」

と、萌に言い、着替えた上で、制服姿の萌をベッドの上で引っ張り、こんな形でいる状態。

(これ、多分俺が狙われてるかもしれないってのが大きいんだぜ…多分)

萌の事だから、笑ってはいたが、内心イライラしていたんだろう。

友達だと思っていた子に変な言いがかりまで付けられ、

「吹奏楽部辞めて」

まで言われたら、萌ならこんな風に陥いる。

(美咲先輩みたいに心に蓋をして過ごすのと、萌の様に素直に泣けれる…どっちが正しい事なんだろうな…)

泣きじゃくっている萌の頭を撫でながら、誠は思う。

(やっぱり保健室、俺もいた方が良かったか?)

いや、多分、そうなっても結果は同じ。

唯自体があんな感じなら、多分誠も怒っていた…と言うか、我慢しきれず保健室に入っていた。

そんな事を考えてる内に、萌の泣きじゃくる声が聞こえなくなった。

「おー、ようやく泣き止んだかー」

と、萌に声をかけるも、スー…と泣き疲れて寝ている愛おしい彼女。

(うそーん…)

と、思いながらも、まぁ良いや…と思い、誠も目を瞑る。

誠も気が張っている為、萌のぬくもりを感じて寝る、最近では日常茶飯事だが、今日は特別に思えた。
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