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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第24章 萌の部屋
風呂の中でも、悠治を思い出していた誠。

浴室から出る時にようやく

(そ、そういや、今日久しぶり?初めて?の萌の部屋だ!!)

と、誠にとって物凄く大事な事を思い出した。

早苗から了承を得たとしても、初日から萌を襲う気などない。

(し、しかもおじさんの顔久しぶりに見たし……)

とは言え、ばくんばくんと心臓が高鳴り、台所でガラスのコップを拝借し、水道水を一気飲みする。

「んぐほっ!!」

変な所に水が入ってむせ返る誠。

(うわぁぁぁぁ〜余計緊張してきたぁぁぁぁぁ〜!!!)

と、ぎくしゃくとロボット歩きをして、リビングに入った時、萌が

「おかえり〜」

と、気楽な表情でテレビを観ていた。

「た、ただいま」

と、ドキドキする胸を抑えつつ、萌に寄り添い、

「何観てんの?」と聞く。

「レンタル借りてたの。一緒に観ようと思って。血みどろの腹わた。」

と、萌が言った時、誠は内心ムンクの叫びの様に思い出す。

(ひ、ひぃぃぃぃーー!!こいつこういうの大好きだったんだよ!しかもすっげえめんどくせえんだよ!忘れてた!!)

一緒にレンタルDVDを借りに行くときは、こう言うジャンルのDVDのカバーを見せてなるものかと必死に隠して通路を通っていたのだが、ここは萌の家。

こう言うシロモノがあって当然なのだ。

そう。誠は大のスプラッタが苦手と言う人種。

遊園地の時のお化け屋敷は、萌にローターを入れてドキドキしていた為、見ずに済んだのだが、どうしてもスプラッタ系が好きだとは思えない。

「お、俺、先にね…」

寝るねと言おうとしたが、

「待って!」

とスウェットを掴まれる。

「怖いから一緒に観て!」

…萌は怖がりの癖に見たがり。

(だったら見るな!と何回も言ってる筈なのにもうぅぅぅ…。)

「あー…はいはい…」

と、萌を後ろから抱き寄せる。

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