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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第27章 静かな日常と影
「そうそう。あんな事件起きたとしても、まずは団体行動してさ。解決するまで乗り切ろうぜ。」

と、紘。

「めっちゃ、犯人に腹立ってるから、一緒に殴ってくれるヤツいたら募集するけど、一緒に殴ってくれる人いるー?」

と、波留。


波留の言葉に、爆笑する人が現れて、緊張感がなくなっている。

(目立つ子がこうやってくれたら、ホント助かるわ…後で、お礼言っとかないと…)

と、思いつつ、

「誠くん、紘くん、波留くん、ありがとう。これからの事については全校集会でお話しします。けど、残念ながら部活は当面の間だけ出来ない事だけ伝えとくわね」

と言う言葉に、えーマジかよー。でも冬に差し掛かってて、助かったんじゃね?と言う生徒が出て来るが、そこは無視をする事にして。

「先生の話は以上です。他に何かある子はいないかな?」

と言う問い掛けにシーンとなる教室。

(学校行事がない時でホント助かったわ…)

と、思いつつ、

「じゃあ、全校集会、遅れずに来てね」

と言い残し、クラスを後にする。

カツカツ…教室を出て、階段の踊り場に出て来た時

「はぁぁぁ…助かった…」

壁にもたれ、震える足をなんとか保たせ、職員室に行く。

(今榎本くんだって知られたら、それこそパニックになる。しっかりしないと)

ゆうも、眠れていない一人だった。

(あぁ…もう…健ちゃんがいてくれて、本当に助かったわ…)

この五日間は、ゆうにとっては健太様々だった。

ゆうが夜遅くまで学校にいるので、雪香の迎えにいけない。

健太はそこから買って出てくれ、夕飯やらお風呂の支度までして待っていてくれた。

仕事は他の同僚に言い、当面の間だけ日勤ばかりにしてくれているらしい。

日曜日は雪香を近所にいる健太の両親に預け、白燐堂に連れてってくれた。

土日も教師でいられる訳ではなく、ゆうにも安息が必要だった。

(よし。パワー頂きましたーって思ったけど、まだまだだわ…)

ゆうはそう思いながら職員室に戻って行った。
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