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手を繋ごう~愛憎Ⅱ~(復旧版)
第6章 憂鬱
萌は自分がリーダーをしても良いのか?と思うくらい、オーボエが吹ける。

現に、ここにいる小橋カンナも

「私、本当に出来るか不安です…」

と、不安げな顔をして、相談してきた。

美咲は

「そうやって吹ける事はすごい事だから、私は夏合宿の時、基礎肺活量を増やす事にしたわ。少し掠れる時があるから」

と言った。

中学の時のトレーニングの倍の筋トレを命じたのだ。

萌はヒーヒー言いながら、やっていたが、美咲が思っていたように、苦しげな表情を浮かべ、吹いていた所も、楽しそうに吹くようになった。


「そしたら、私は…うぅぅ〜ん…」

と、頭を抱えるカンナに、

「まずは楽しく吹く事が大事!それに、あなたはリーダーであって、指導者じゃないんだから、それはゆう先生とかに任せる事!」

と、言った。

現にゆう先生指示の元、トレーニングしていた。

美咲だって、あんなに吹ける、萌が羨ましかった。


萌といえば…と、ハタと思い出す。
そう言えば、引退する二週間前から川中誠と険悪な雰囲気になっていた事を。

美咲も美咲で、

(どうしちゃったのかしら?)

と、思っていた。


全体練習の時に萌と二人廊下を歩く事にした。
勿論、誠との事を聞くため。


「ね?萌?誠くんとはもう大丈夫なの?」

と、聞いた時

萌はパッと赤くなり

「あっいやっそのっ」

と、慌てた表情を浮かべた。


その表情から

(なるほどぉ〜そう言うわけね。でも、これ以上突っ込んでも何も出て来そうもないだろうし、自分の秘密にしちゃおう)

と、ただ単に自分の後輩がそんな関係になった事を心の中で祝福することにした。

「誠くんとは幼馴染だったよね?」

そう言う美咲に、萌は

「はい、そうです。確か、美咲先輩と丸山先輩もですよね?」

と聞いた。

ドキンッと、美咲の胸に高鳴りを覚えた。

昨日の事が頭に過ったのだ。
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