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連攣鎖(つれづれぐさ)*
第32章 アバンチュール

確かに、彼が自分に言い聞かせる感じはありました。
でもそれが彼の誠実なところで、本当に彼女を大事にしているので、私も偉いと誉めたり、それだけ愛情があるんだと後押ししていたのです。

「あの時言ってくれれば良かったのに…

私も好きだったよ。
彼女いたから、言えなかったけど…

でも、今は?奥さんはいいの?」

「あいつは強いから、嫁になったら益々強くなったし、俺は要らないみたい。」

「私も母ちゃんになって強くなったよ?」

「貴女はいつも無理して、頑張ってる。見ればわかるから…」

彼が少し離れたので見上げたら、もう一度近づいてきて唇が触れ合った。

優しく触れただけで、すぐ離れていく。

「もっとして…」

彼に寄り添うと、
強く抱かれて、頬に手を添えられてキスされる。
舌が触れ、絡み合い、私を慈しむように背中を撫でられた。

私も彼に応えたくて背の高い彼の肩に手を回し、髪の襟足を撫でながらキスを返した。

生き別れた恋人に再会したような、静かだけど燃えるように熱いキス…

そして、私のお腹に象取られたカレの存在を感じていた。


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