この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
連攣鎖(つれづれぐさ)*
第32章 アバンチュール
確かに、彼が自分に言い聞かせる感じはありました。
でもそれが彼の誠実なところで、本当に彼女を大事にしているので、私も偉いと誉めたり、それだけ愛情があるんだと後押ししていたのです。
「あの時言ってくれれば良かったのに…
私も好きだったよ。
彼女いたから、言えなかったけど…
でも、今は?奥さんはいいの?」
「あいつは強いから、嫁になったら益々強くなったし、俺は要らないみたい。」
「私も母ちゃんになって強くなったよ?」
「貴女はいつも無理して、頑張ってる。見ればわかるから…」
彼が少し離れたので見上げたら、もう一度近づいてきて唇が触れ合った。
優しく触れただけで、すぐ離れていく。
「もっとして…」
彼に寄り添うと、
強く抱かれて、頬に手を添えられてキスされる。
舌が触れ、絡み合い、私を慈しむように背中を撫でられた。
私も彼に応えたくて背の高い彼の肩に手を回し、髪の襟足を撫でながらキスを返した。
生き別れた恋人に再会したような、静かだけど燃えるように熱いキス…
そして、私のお腹に象取られたカレの存在を感じていた。