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王子様は、きらきら星の住人
第2章 十六歳の誕生日
 ピアノ発表会で繰り広げられた昼ドラさながらの不倫愛憎劇は、瞬く間に狭く小さな町中に知れわたった。
 透太と透太の母は、事件のあと忽然と町からいなくなった。
 ふたりが暮らしていたアパートの部屋は、生活用品がほぼ残されたままだった。
 そして、透太の幼稚園の黄色いリュックや、帽子や園服、母親がよく着ていた赤茶色のコートがハンガーに掛けられていた。
 黄色と青のギンガムチェックのテーブルクロスが掛かっている、小さな丸テーブルの上には、飲みかけの紅茶とココアが入ったカップがふたつ、取り残されていた。


 
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