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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第48章 大金は目の前だ

試しに亮輔は母親に連絡を入れてみた。
【トゥルルル、トゥルルル…】
しばらくそのままにしてみたが、応答が無く、電話を切った。
「何があったんだ一体?」
嫌な胸騒ぎがする。
母親に身の危険が及んでいるのか、すぐに探さなきゃ。
だが、亮輔は母親の普段の行動をよく知らない。
どこに行けばいいのか、誰かに話せばいいのかさえ解らない。
「待てよ、もしかしてたらケータイを無くしたのかもしれない。だから繋がらないのかも」
楽観的に事を構えていた。
昨夜の出来事を亮輔が知るはずがない。
ここ数日、小島に誘われ、夜の繁華街をウロウロして遊ぶ事に没頭していた亮輔は母親の事など気にもとめなかった。
夜に出かけ、朝陽が昇る頃に帰り、夕方近くまで寝ていた為、母親とはほとんど会ってない状態だった。
「前にもこんなことがあったよな、確か1週間ぐらい帰ってこなかった時もあったし」
亮輔が中学の頃は、家を空けている機会が多かった。
だから今回の事も、またしばらくしたら戻ってくるだろうと思い、再び眠りについた。
一方、会社ではなかなか連絡がつかない母親の事で、警察に捜索願いを出そうかどうか話し合っていた頃だった。

