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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第49章 次期社長について

以来、母親は沢渡を信頼し、沢渡も持ち前の営業力でこの会社を大きくした立役者だ。
「ですが、このままでは業務に支障が…代役でもいいから誰か社長にしないとマズイのでは…」
達也は沢渡が誰を社長の代役するのか、もしかしたら、沢渡が暫定的な社長になってこの会社を何とかするとでも言うのだろうか。
「当面の間は私が代役を努めます」
やっぱり!達也はそう答えるだろうと思った。
「で、その話なのですが、仕事が終わったら僕に少し付き合ってもらいたいのですが、よろしいですか?」
達也はここで鴨志田を使うつもりだ。
「今日ですか?しかしこんな状況で…」
沢渡は戸惑いの表情をして、少し渋っていた。
「お願いします、こんな状況だからこそ、こういう話をしないといけないんじゃないですか?母親、いや社長の行方は警察に任せるしかないでしょう。会社としては、社長も決まらずに仕事なんて出来ないのではないですか?だから沢渡さんにこうやってお願いしてるんです」
達也はこの通りだ!とばかりに深々と頭を下げた。
「わ、わかりました。では終わったらお付き合いします」
よし、誘いに乗った!
「じゃあ、終わりましたら、店で…それと沢渡さんに是非とも会っていただきたい人がおりまして…」
「会う?どんな方ですか?」
沢渡は少し考え込んだ。
どんな人物だ?この会社に関係する人物なのか?と。
「実は僕の知り合いで、経営コンサルタントをしている女性がいるんです。
いずれ社長にも会う予定だったのですが、こんな事になってしまったもので…だから沢渡さん、社長の代わりとして会っていただけないでしょうか?」
「経営コンサルタントをしていた女性ですか?まぁ、社長と会う予定だったと言うならば、私でよければ…」
「はい、では後程セッティングの場を設ける所をお教えしますので。一旦失礼します」
頭を下げ、達也は部屋から出た。
そしてトイレの個室に入り、スマホで鴨志田にメールを送った。
LINEの方が手っ取り早いのだが、やり取りが見つかった時の事を考えて、敢えてメールにした。
達也は指定の場所に来るよう鴨志田にメールを送った

