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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第10章 父親との会話
しかし、どこにも父親に関する手掛かりのようなものはなかった。

そして本棚に目をやり、一冊一冊取り出しては目を通した。

すると、ファッション雑誌の中にメモ用紙が折り畳んであるのを発見した。

そのメモ用紙を広げてみた。
これだ!父親の携帯番号と現住所が記されてあった。

父親はここから少し離れた郊外に住んでいるみたいだ。

どうする?今から会いに行こうか。
急に心臓がバクバクしてきた。
でも、会って何を話せばいいのだろうか?

オレは父親の顔すら知らない。
オレが生まれてすぐに兄を連れて出ていったのだから。

仮に会ったとしても門前払いをくらうかもしれない。

ましてやオレは父親とは血が繋がってない。

散々迷った挙げ句、今は会うのは止めようと思った。
とりあえず父親の番号と住所をスマホに入力した。

そうだ、メールなら送れる。
オレはショートメールを父親に送った。

【突然の事で驚かれるでしょうが、亮輔です。是非会いたいのですが、返事を待ってます】

後は父親から返事がくるのを待つだけだ。

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