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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第11章 父の顔
父親の下にいれば、母親は来ないと思う。
だが一人暮らしをしていれば、いずれは母親に居場所が解って連れ戻されるだろう。

散々迷い、ここは父親の世話になろうと決めた。

「あの、ホントにいいんですか、オレが一緒に住んでも?」

「何バカな事言ってるんだ。オレは父親だぞ。息子と一緒に暮らすのが当たり前だろ」

「でも、実際は…ホントの父親じゃ…」

「亮輔、その話はもうするな。何はともあれオレはお前の父親だ。何の遠慮もするな」

オレは救われたように思えた。

まさか父親がそこまでオレの事を思っていてくれたなんて。

「ほら、早く食え、焦げちゃうぞ」

父親は焼けたカルビをオレの皿に乗せた。

「お前も色々と苦労したんだな」

その言葉でオレはボロボロと涙を流した。

これでようやく普通の学校生活が出きると。

そして父親と別れ、オレは家に帰って必要な荷物をまとめた。

父親の住む家に送る必要な物だけをまとめて。
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