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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第13章 父親の世話になる
父親の家に着いたのは22時をまわっていた。
父親の家もオートロック式のマンションで2LDKの明るい白を基本とした部屋だった。
男の一人暮らしのわりには綺麗に片付いており、父親の几帳面さがうかがえる。

「今日からお世話になります。よろしくお願いいたします」

「そんなことはもうどうでもいいだろ。それより飯は食ったのか?」

言われてみたら今朝から全く食べてなかった。

「もし腹へったならカレーが残ってるんだ。よかったら食べないか?」

「あ、はい。いただきます」

「亮輔、ここはもうお前の家なんだぞ。もうそんな他人行儀な話し方はよせ」

どこまでも優しく接してくれる父親だ。
願わくばもう少し早く会いたかった。

父親がテーブルにカレーを置いた。

「美味いかどうかはわからんが、とりあえず食ってみろ」

「はい、いただきます」

父親の作ったカレーは辛口でなすやズッキーニ、パプリカ、玉ねぎ、ししとうがはいった夏野菜のカレーだった。

「どうだ、少し辛いけど美味いだろ?」

これはお世辞抜きに美味かった。
朝から何も食べてないせいもあるのだが、それを差し引いても絶品だった。

「あの、その。」

「ん、何だ?言いたい事があったらはっきりいえ」

「あ、学費は自分がバイトして出しますから、後は掃除や洗濯、飯の支度も自分がやりますので、これからよろしくお願いいたします」

父親はテーブルの向かいに座り、バーボンのロックを飲みながらオレの目を見据えて「何バカな事言ってんだ。お前はオレの息子だぞ!学費だのなんだのってはこっちに任せろ。お前はそのためにここに来たんだ、子供が余計な心配するな」

静な笑みを浮かべロックを飲んだ。

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