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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第132章 慢性化する過呼吸

オレに関わった人間は不幸な最期を迎えてしまう。
それにナツは鴨志田の妹だ。
今更、オレは鴨志田の実の子供だなんて言えないし、ましてやもうこの世にいないなんて事は口が避けても言えない。
「ねぇ、何でなの?急に拒否られたから、私ショックだったんだよ」
言うべきなのか…
明日は鴨志田の月命日だ。
ナツも一緒に連れていくべきかどうか。
「黙ってないで何とか言ったらどうなの?」
プライベートの時と違って、カールしたセミロングの髪につけまつげ、そして濃い目のメイク。
ナツは美人だ。
いや、美人だとかそんな事はどうでもいい、コイツもかなり暗い過去を背負ってきた。
だが、暗い過去ならオレの方が遥かに上回っている。
だからこそ、オレに関わらない方がいいんだ。
「とにかく、オレには関わるな、それだけだ」
「古賀くん、もしかしてお姉ちゃんの事…知ってるのね?ねぇ、そうでしょ?」
悟られてしまったか?
いや、それは無い。
それにナツが探している姉の名前すら聞いてない。
「何でオレが知ってるんだよ?第一、お前の姉ちゃんの名前すら知らないんだぞ」
さすがに寒くて手がかじかんできた。

