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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第168章 所詮人間は醜い欲望の塊
そして帰国の日となった。
社内では、亮輔が警察に見せた鴨志田のメールの内容で達也を重要参考人として出頭命令を下されていた。
ナツはこの情報をキャッチし、空港に着いた達也にいち早く伝えた。
(クソッ、亮輔のヤロー、とんでもねえ物持ってやがったのか!)
そして達也は小島に行く所があるから、ここで別れようと告げ、ナツの住んでいるアパートへ向かった。
何も知らずに小島は金が自由に使える、これからはギャンブル三昧だとワクワクしながら会社へ向かった。
だが、小島は達也の計画によって嵌められ、警察で事情聴取され、一晩留置場で過ごし、弁護士によって釈放されたが、駅のホームで列車に轢かれ、無惨な最期を遂げた。
「ナツ、これで解ったろ?もしオレが顔を変えなかったらオレが列車に轢かれて身体がバラバラになってたとこだ」
「…怖い。私、どうすればいいの?」
「まず手始めにこの件で大金を得たインチキ弁護士を殺る!」
「…マジで?マジで言ってるの?」
「あの鬼畜がいる限り、オレは遠くに逃げてもいずれ捕まる」
「…だってその為に顔を変えたんでしょ?」
車内ではナツと達也が駅で起きた人身事故の一部始終を見届け、手始めに沢渡から大金を得た弁護士を消し去る事だ。
「ナツ、あの弁護士はただ者じゃない。後ろにはヤクザがいっぱいいる。
だが、ヤクザと繋がりのある弁護士を消す事も容易い。何せ周りはヤクザだらけの場所に住んでるからな、隙だらけだ、あの弁護士は」
「ホントに殺すの…?」
達也は頷いた。
「ナツ、これを殺ったらオレたちは何処か遠い場所で暮らそう」
「…解ったわ…」
こうして二人は弁護士の住む澱んだ地域へ向かった。