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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第173章 その男の名はソンヒョク
腹が減れば、長屋の住民が漬けてくれたキムチをお裾分けしてもらい、米を炊いて熱々のご飯にキムチを乗せて食らう。
おかずなんて必要ない、このキムチさえあれば何杯でもおかわりできる程の美味さだ。
腹一杯になった後は昼寝する。
これといってやることもなく、ゆっくりゆっくりと時が流れていき、身を任せていた。
そんな毎日を過ごしていたが、達也は宿泊所の近くにある古ぼけたバラックのような建物の中から、ドスンドスンという音が聞こえた。
(こんなボロっちい建物の中で何やってんだ?)
達也は立て付けの悪い扉を少し開けて覗いていた。
建物の中央にはリングが設置してあり、その横ではサンドバッグに向かい、パンチやキックを叩き込んでいる男がいた。
「なんだ、こりゃ?ジムか?」
サンドバッグを叩いていた男は達也の存在に気付き、こちらを向いた。
「…おお、スゲー」
汗まみれになった白にプリントが入ったシャツに膝の破れたデニム。そして編み込みブーツ用の安全靴。
両腕にはタトゥーが施してある。
「넌 누구냐?(お前は誰だ?)」
その男はハングルで達也に聞いてきた。中は埃にまみれ、リングとサンドバッグ以外は何もない。
「나는 일본인이다(オレは日本人だ)」
達也もハングルで答えた。
おかずなんて必要ない、このキムチさえあれば何杯でもおかわりできる程の美味さだ。
腹一杯になった後は昼寝する。
これといってやることもなく、ゆっくりゆっくりと時が流れていき、身を任せていた。
そんな毎日を過ごしていたが、達也は宿泊所の近くにある古ぼけたバラックのような建物の中から、ドスンドスンという音が聞こえた。
(こんなボロっちい建物の中で何やってんだ?)
達也は立て付けの悪い扉を少し開けて覗いていた。
建物の中央にはリングが設置してあり、その横ではサンドバッグに向かい、パンチやキックを叩き込んでいる男がいた。
「なんだ、こりゃ?ジムか?」
サンドバッグを叩いていた男は達也の存在に気付き、こちらを向いた。
「…おお、スゲー」
汗まみれになった白にプリントが入ったシャツに膝の破れたデニム。そして編み込みブーツ用の安全靴。
両腕にはタトゥーが施してある。
「넌 누구냐?(お前は誰だ?)」
その男はハングルで達也に聞いてきた。中は埃にまみれ、リングとサンドバッグ以外は何もない。
「나는 일본인이다(オレは日本人だ)」
達也もハングルで答えた。