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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第177章 イルボンのソンセン
「じゃ、そのソンセンはソンヒョク達に暗殺術を伝授したって事か?」

達也もロープを掴んで天井まで腕の力だけで上った。だが、ここから飛び降りて足音を立てないように着地なんて出来るワケがない。

「達也、下手な体勢で着地すると踵の骨折れるぞ!」

飛び降りようと思ったが、ソンヒョクの言うとおり、足をケガする危険性がある。

達也は再びロープを使って、ゆっくりと下りた。

「こりゃスゲー訓練だ!で、そのソンセンは今何をしてるんだ?」

達也の問いにソンヒョクは一瞬表情を曇らせた。

「死んだよ…オレが殺した…」

「…殺した?何故?」

「ソンセンの教えを最後まで習っていたのはオレだけになった…他のヤツラはソンセンがイルボンだと解ったらもうここには来なくなった…ここは在日だけの街でイルボンの来る所じゃない!と。だが、オレはソンセンの教えを忠実に従った。
で、ある程度力を付けた時、ソンセンはオレとノールールの闘いをした…」

(何だこの展開?ホントにマンガの世界そのものじゃねえか!)

「で、アンタがソンセンを仕留めた…って事か?」

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