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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第177章 イルボンのソンセン
ソンヒョクは頷いた。

「ソンセンもかつては日本のヤクザに雇われた殺し屋だったらしい…だが、足を洗ってここに来た…全てを伝授して最期はオレに殺されるかのようにして…」

「それってマジでマンガの世界そのものじゃねえか!こんな事が実際にあるのか?」

達也には信じられなかった。

「後は…悪いが思い出したくないから言うのは勘弁して欲しい。ただ、オレはソンセンの跡を継いでこの殺し屋の仕事をするようになった…そういう事だ」

ソンヒョクは窓から太陽の光を眩しそうに見ていた。

「オレたちはあの太陽のような光を浴びずに暗闇で任務を果たすだけ…影の存在で無くちゃならないんだよ」

「…」

達也が今までやってきた事はソンヒョクに比べたら子供騙しみたいなもんだ、とてもじゃないが今のオレには敵わない…

ソンヒョクは窓を閉め、壁に掛けてあった黒のコートを羽織った。

「達也、今からオレの仕事を見てみないか?その後飯でも食いに行こう」

(仕事?それって殺すんだよな?大丈夫かオレ付いてって?)

「大丈夫、すぐに終わる仕事だ、それも誰にも気づかれる事なく」

ソンヒョクは靴紐を結び直し、外に出た。

どんな殺り方で葬るのか…

(オレだって亮輔と沢渡というヤツラを始末しなきゃならないんだ、どういう風に始末するのか見てみよう)

達也はソンヒョクの後に付いて行った。
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