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快楽に溺れ、過ちを繰り返す生命体
第28章 初仕事
オレは翌日、その工務店へ面接に行った。
いかにも親方という恰幅のいい中年の人がオレの履歴書を見ながらしばし考え込んでいた。

「働きたいってのはわかった。だけどウチは楽な仕事じゃねえぞ。力仕事も必要になるし、現場仕事だから朝は早い。それでも大丈夫か?」

オレはとにかく働いて金を稼いで独立したいだけだ。

だからこの際、仕事がキツいだの何だの言ってる場合ではない。

「はい、大丈夫です。とにかく一日でも早く独り立ちしたいので」

その親方らしき人はオレの目をじっとみながらコイツは使えそうなのかどうか観察しているみたいだ。

「よし、じゃ来れるとしたらいつから来れるんだ?」

「はい、今住んでる所から出来れば寮に移りたいんです。その荷物を移し終えたらその日からでもお願いします」

「大体どのくらいかかりそうなんだ?」

「はい、1日あれば十分に間に合います」

オレが持っていく荷物なんて服とPCぐらいだ。
「よし、じゃ明日その荷物持ってこい。部屋はその時に案内するからな」

「はい、わかりました」

「お前、給料の話しはしないけど、いくらもらいたいとかそういうのはないのか?」

「いえ、働いて住む所があれば十分です」

「そうか、とりあえず見習いだから1日8000円、そっから寮の住まいとか食費引いて7000円ぐらいかな。頑張ればもっと稼げるから1日でも早く仕事覚えるようにしろよ」

「はい、ありがとうございます」

おれはこの工務店に働くことが決まった。

その日のうちに荷物をまとめ、母親には勤務先の場所を教えた。

まぁこっちから連絡をするつもりはない。

そして寮に荷物を移した。部屋は寮というから、食堂があって各部屋に仕切られているというイメージをしていたが、一部屋四畳半のボロイアパートだった。

備え付けのテレビと冷蔵庫、押し入れには布団があるだけの質素な部屋だった。

とにかくこれが独立の第一歩だ。
どんな仕事をするんだろうか。

まぁどんな仕事でもやるしかない。
オレはその日、疲れて早めに寝た。

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