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お兄ちゃんといっしょ
第24章 第24章
 なぜここにいるのだろう、と、私は1億回くらい自問自答した。


 駅前、バスロータリー、コンビニ。
 私は花壇に座っていて、赤いティントを塗っていて、ビッグサイズの黒いTシャツワンピを着てる。
 


 お兄ちゃんは夜中に嗜好品を吸い、私が家を出るまで起きなかった。
 いびきが耳に焼き付いてる。
 


 今日はお兄ちゃんのスマホを持ってきた。
 友達と約束あるって。
 17時には絶対帰るって。
 絶対ごはん連れてってねって。
 LINEした。
 でも一応あとでまたLINEするつもりだ。

 


 パパは、成仏できたのだろうか。
 愛されたことがないし、愛したこともないなら、私にはどうだっていい。
 そんなことより。




 遥輝のLINEをまだ、知らない。



 そっちのがよっぽど、今の私には、重要だった。




 約束通り、遥輝は13時には私の前に現れた。
 白いTシャツに黒いズボン、白のGショックに、白のスタンスミス。 
 それから、いつもの黒縁メガネ。



 改札から現れた遥輝に、私は驚いた。



「練習は?」


「昨日熱中症で1年が倒れたから中止になった」




 さも当然のように私の手を握った遥輝の汗だくな横顔にも、驚いたけれど。










 
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