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お兄ちゃんといっしょ
第30章 巻き戻し1.
ゴミをすべてパッカー車に放り込んだお兄ちゃんが当たり前のように軍手を外したから、私はお兄ちゃんの胸に飛び込んだ。その背中をお兄ちゃんがきつく抱きしめ…なんの迷いもなく腰を屈め、実の妹の唇にキスをした。
……舌を絡める大人のキスを。
作業服は当然汚れていたし、臭ったけど、どうだっていい…。
魚の臭いが、ゴミの臭いになっただけ。
私とお兄ちゃんは最初から、何も変わってないのだ。
お兄ちゃんのキスは…
抱き合っているからよく分かる。
私を「ほしい!ほしい!」って強く求めてるときのキスだ。
お互いがお互いを欲しがっていて、皮膚が燃えるように熱くなっていって、絡み合う舌まで感じてしまうような、お兄ちゃんの腕や肩や腰や…私が触れられるものすべて私のものにしてしまいたいという貪欲な気持ちにさせるような…。
「会いたかったよ…」
唇が離れたとき…。
私は絞り出すようにして、お兄ちゃんに言った。
「会いたかったよ…会いたかったよ…」
お兄ちゃんは何も答えてくれなかった。
でも心臓の音が走るように速かったのが、お兄ちゃんの返事だろう。
「奈々ってさ、LINEって知ってる?」
私の身体を解放したお兄ちゃんは嫌味を言ってきた。でも顔は笑ってる。
「だからさ、事前に連絡してよ」
困ったように目を細めて辺りを見渡しながら、お兄ちゃんは外した軍手をもう一度はめ直した。
……舌を絡める大人のキスを。
作業服は当然汚れていたし、臭ったけど、どうだっていい…。
魚の臭いが、ゴミの臭いになっただけ。
私とお兄ちゃんは最初から、何も変わってないのだ。
お兄ちゃんのキスは…
抱き合っているからよく分かる。
私を「ほしい!ほしい!」って強く求めてるときのキスだ。
お互いがお互いを欲しがっていて、皮膚が燃えるように熱くなっていって、絡み合う舌まで感じてしまうような、お兄ちゃんの腕や肩や腰や…私が触れられるものすべて私のものにしてしまいたいという貪欲な気持ちにさせるような…。
「会いたかったよ…」
唇が離れたとき…。
私は絞り出すようにして、お兄ちゃんに言った。
「会いたかったよ…会いたかったよ…」
お兄ちゃんは何も答えてくれなかった。
でも心臓の音が走るように速かったのが、お兄ちゃんの返事だろう。
「奈々ってさ、LINEって知ってる?」
私の身体を解放したお兄ちゃんは嫌味を言ってきた。でも顔は笑ってる。
「だからさ、事前に連絡してよ」
困ったように目を細めて辺りを見渡しながら、お兄ちゃんは外した軍手をもう一度はめ直した。