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お兄ちゃんといっしょ
第8章 第8章
浴室のドアが開く音がした。
私は未だに、布団の上で寝転がったままだ。
意識がはっきりとすればするほど、口の中の痛みが強くなっていく。
お兄ちゃんにぶたれたとき、歯で舌や頬を切ってしまったようだ。
「おい、奈々。お前もシャワー浴びろよ」
お兄ちゃんが私を呼んでいる。
風呂場から湿った空気が流れ込んできて、私の肌をじっとり湿らせる。
「はやく来いよ。ガス切っちまうぞ」
立ち上がる気力がない。
たった一発、ほっぺたをぶたれただけなのに。