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第1章 【第一部 * Paradox * 】 災難は突然に

俺の頭は、怒りでグルグル渦巻いていた。

身内の集いに個人的趣味を持ち込むなと、あれほど言っていたのに！

身の不運をつくづく嘆く。
普通の(こんな父親じゃない)家庭が羨ましい。
そうだ、今日こそ親父にガツンと！言ってやる。

「大体少しは父親らしくしたらどうなんだ・・・」
「どうって言われてもねぇ。僕は僕のやり方でしか君を愛せないからね。でも誰よりもモトミを愛しているよ。　･･･ねっ、可愛いだろ？僕の息子。ムキになって怒ったところがまた良い。目元や鼻筋は愛しい妻にそっくりなんだ。でもね、口許はわたしに似ていると思わないかい？普通にしてれば美味しそうなのにね」
　
って、ツバメの耳を啄むように囁いて、おめーは分かってんのかよ！！

全然俺の言いたいこと理解してねージャン･･･
でもって、美味しそうってどういう意味だ？

息子で餌付けしようとか考えてないよな？親父･･･