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囚われの城
第4章 新しい世界
瑠菜は部屋に戻り、風呂で体をきれいに洗った。
熱いシャワーを浴びていると、湯気に包まれて先程のことが思い出される。
「あたし、あんなこと……」
シャワーのせいではなく、顔がボッと熱くなった。
想いを寄せる人の前で、一番見られたくないことをしてしまった。
瑠菜は頭を切り替え、お風呂を終えた。
髪を乾かし、ワンピースを着る。
純白のワンピース。
下着はつけず、ワンピースだけ一枚を身に付ける。
そのままベッドに入った。
他のメイドたちは出張の話で盛り上がっているが、瑠菜はひとり、レース越しに見えるメイドたちをボーッと眺めていた。
「……」
皆が眠りについた夜中、瑠菜はふと目が覚めた。
トイレに行こう。
ベッドを出ると、部屋のドアが少し開いていることに気付いた。
年中消えぬ廊下の灯りが筋になって部屋を照らす。
閉めようと近付くと、廊下から声がした。
「で?認めるんだね?」
「 ……はい」
「はぁ……バカなことを……」
瑠菜はこっそり廊下を覗いた。
そこには梅の間のメイドと竹の間のメイド、それから龍がいた。
メイドたちは、手を繋いでいた。
「リナとエリ……主には俺から報告させてもらうよ。主はきっと、こういうことを許さない」
「はい、覚悟の上でございます」
「リナは、今日は俺の部屋へ。エリは部屋へ戻って」
竹の間のリナは龍に手を引かれ、エリと繋いでいた手はあっけなく離れてしまった。
リナは龍の部屋へ消え、梅の間に戻ったエリと瑠菜は鉢合わせとなった。
「見てたの?」
「ごめんなさい……ドアが空いてたから……。何かあったんですか?」
「うん……規律を破ったの」
「規律?」
「明日になればわかるわ」