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囚われの城
第8章 オンナ
瑠菜は黎明にもらった薬を毎日きっちり飲んでいた。
出張に出かけたメイドが帰ってきてから、もうすでに1週間。
ミカンを含め、まだ帰ってきていないメイドはたくさんいた。
『瑠菜さん?』
『あ!は、はい』
『大丈夫ですか?なんかその……元気がないみたいですけど……具合悪い?』
『いえ、平気です』
『なんだか辛そうです。今日はこのへんにしておきましょうか!』
京太は心配そうに瑠菜の顔を覗き込む。
京太はサラと遊戯を楽しんでからというもの、瑠菜の家庭教師を終えると、メイドと遊戯をするようになった。
考えごとをしていたのは本当だが、瑠菜との講習を早く終えて、メイドと遊戯がしたいということだろう。
バイト代は通常でいいからメイドと遊戯をさせてほしい、と黎明にお願いしたらしい。
『あれ…京太は?』
『ご主人様!あ、あの、帰りました』
京太がいなくなって部屋を片付けていると、入口に黎明が現れた。
黎明はため息をひとつつくと、頭をかいて瑠菜から視線をそらした。
『明日の夕方、お前をオンナにしてくれる客が来る』
『……はい?』
『カメラで監視するから心配するな。文句は言うなよ。高い金もらうんだから』
『わかりました』
『……お前、意味わかってる?』
『はい……え?』
『くく……。まあ、いいや。あと、遊戯室使ったから片付けておいてくれ』
『かしこまりました』
黎明はチラッと笑い、部屋を後にした。