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囚われの城
第8章 オンナ
瑠菜は黎明に言われた通りに職務をこなした。
まだ人の温かさが残る遊戯室の掃除を終えると、客人が汚したトイレの片付け。
屋敷のカーペットが一部日焼けしているからと、張替えもした。
客人が来れば接待し、黎明と一緒に接待方法を学ぶ。
あっという間に1日が終わり、瑠菜はベッドに倒れ込むと一瞬で眠りについた。
『ん……』
心地いい布団の温かさの中で深い眠りについていた瑠菜は、肌に触れる人の温もりにふと気付いた。
しかしそれは、夢か現実か区別がハッキリしない。
日々の労働で疲れている瑠菜は、区別がつかないなら夢と判断しようと脳が勝手に働いていた。
瑠菜の頬にふれていた手は、鎖骨をなぞり、ワンピース1枚を隔てて小さな膨らみを捉える。
真ん中にかき集めるように膨らみを揉みしだくと、先端の突起を不意に摘まれた。
『あっ……』
瑠菜はさすがに目を覚まし、目の前の人物に絶句した。
温かくて優しいタッチの手は、恐らく龍だろうと思っていた。
しかし、目の前の人物は冷たい目をし、薄く笑っている。
『気付きましたか?』
『な、んで……』
『昨日、主に伺いませんでしたか?あなたが今日、オンナになると』
『……聞きましたけど……』
『支払いは済んでいます。場所を変えて、桐原財閥の奉仕とやらを見せていただきましょうか』
目の前で笑うのは、日向だった。