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囚われの城
第9章 変化する気持ち


翌日、瑠菜は少し重い気持ちで学校へ向かう。

昨夜のことが気になっていた。

龍の保護者としての説教が終わってから、すぐに紫苑にメールした。

しかし、いくら待っても返事はない。

朝になっても、紫苑からの連絡はなかった。


「おはよ、瑠菜!」

「ユズ…」

「どうしたの?クマひどいよ。寝れなかったの?」

「紫苑先輩…」

「え?もしかして、紫苑先輩に酷いことされた?ごめん、あたしのせい…ちゃんと全部話していればよかったのに…」


ユズは目に涙を溜めた。

瑠菜は目を丸くした。


「後で話すから、全部。とにかく教室に急ごう!予鈴鳴ってる!」


瑠菜はユズの手を引いて、教室に走った。

一時限目の国語の時間、隣の席のユズから、可愛らしく折られたルーズリーフを渡された。

先生に気付かれないように開くと、そこにはビッシリと文字が並んでいた。

瑠菜は、可愛らしいユズの文字を、噛みしめるように読み始める。


【るなへ

紫苑先輩について、るなが知らない半年間のことを書きます。

後で話すって言ったけど、やっぱり手紙にしたほうがるなもちゃんと受け止められると思って…

まず初めに、桐原財閥のことについてです】


瑠菜は、桐原財閥という単語を見てドクンと心臓が跳ね上がった。


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