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第12章 スタンダールの幸福 Ⅶ♡

「あっ…や、…胸ばっかり…」

両手で乳房を揉みながら髪や耳、頬と口づける。中央の尖りは気付けばぴんと張りつめて、指で弾いてやると面白いくらい反応する。

「ん、ふ…っ…あっ」

首筋を舐めると声が甘さを増した。息を乱し、身体をくねらせる。俺の手でも余るくらいの乳房。手のひらで硬くなった先端を潰すようにこすった。ふとみると腰も動いている上に、太腿をもじもじと擦り合わせている。

「どうした？」
「やっ…みみもとで…やめ…んあっ…」

親指と人差し指で乳首を悪戯につまんだ。びくりと跳ねた身体がそのまま前に倒れようとするが、そんなのは許さない。翻弄されたままでいてやるものか。俺の手で、もっと乱れさせたい。喘がせて、染め上げたい。自分の中にこんな欲があったなんて、今、この時、初めて知った。

美月の体温がみるみる上がっていくのがよく分かった。汗ばむ素肌が俺の手のひらに張り付くようだ。執拗に乳房を揉んでいると首をひねって俺を振り返る。ああ、キスを求めているのか。唇を重ねれば、遠慮がちに美月の舌が口内に入ってきた。

絡め取って、弱く噛む。そうしながら左手は美月の膝を撫でながら、ゆっくりと太腿へと滑らせた。肉付きの良いそこは、これまた柔らかい。女の身体というやつはどこに触れても柔らかいものだったか。

「ふぁ…あっ、んんっ」

微かな喘ぎ声にぞくりとした。捲れ上がったスカートなど最早気にしていられない。内腿をなぞり、下着の上から秘裂に触れてみる。薄い布はじっとりと濡れていて、ただでさえぞくぞくしているというのに、よりぞくりとする。

「もう濡れてるけど」
「だって…か、感じちゃって…」
「なら、辞めるか」
「やだぁ…」

かわいいやつだ。焦らすように触れては離すと、その指に股間を押し付けてくる。濡れている所為でぴたりと張り付く下着の上から割れ目を擦ると力なく投げ出されていた手が俺の足を掴んだ。

「あっ…んぁ…っ…」

頬に口づけると、ちゅ、とリップ音が鳴る。右手では乳房を刺激して、左手は変わらず下着の上からやわやわと擦る。逃げたいのか溺れたいのかもぞもぞ動く身体が無性にかわいく見える。