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第13章 あたたかい風
家に一人でいても
ちっとも落ち着かないオレは
アイルの店へと…足を進めていた





〃おとーさん〃かよオレはっ・・・





敢えて?病院側から入って
ソウタさんに挨拶して
店側の待ち合いのテーブルに行く







中は…とんでもない事になっていた


オレが知る限りでも見たことがない



狭い店内に・・・人・人・人




これは、まさか…






そのまさかだった


昨日の顧客のおかげ?で
アイルの復帰を聞いた人達が
大勢駆け付けているようだった


マナさんが手伝いに入っているほどで
アイルはオレに全く気付いていない


「アイちゃーん久しぶり!待ってたよ~
ホラ!ケーキ買ってきたよ~」

『わぁ、ありがとうございます
ご心配おかけしました
また宜しくお願いします』



「アイちゃん!元気そうだね!よかった!
~ちょっとこの子、耳みてもらえる?
ずっと気にしてるようでさ~」

『あ、…ん~、コレは。うん大丈夫…ちょっと…
はい…もう大丈夫。もしひどくなるようなら
先生に一度…。~今日は料金いらないから』



アイルとの再会を喜ぶ人達の
声が絶え間ない

変わらず
自分らしいスタイルで一生懸命なアイル



仕事してるアイルを見ると時々思う

アイルって…
ちょっと男っぽいかも、って



仕事人間というか
仕事になるとキリッと切り替わって
プロ意識を持ってする


初めの頃も思った記憶があるけど
改めて見るとこういう所は
やっぱり一目置いてしまう


これだけの信頼も納得だ



『あ、コウスケ。抱っこはホラ…こう
お腹気をつけて』


『よぉ、あいる!ひさしぶりだなっ』






ん?・・・なんか



一部・・・カン高い声に


ピクっとするオレ




「コラ!コウスケ!
こんにちはでしょ~?!

アイちゃん、よかったぁ
また宜しくね!」


母親らしき人に叱責されても
そっちのけで

犬を抱いてうろちょろするのは…
5才くらいの子ども



『あいる おとこにでも ふられて
やすんだのか?』


「コウスケっ!あんた、いい加減にっ!!」


『あいるは
おれがよめにもらってやるから
しんぱいすんなよ!』




『ぷ、…アリガトね コウスケ』













・・・マセガキが




一人いるっつってたっけなぁ(笑)
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