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第13章 あたたかい風
母親に、べーっ と舌をだした子どもが
オレのいるテーブルの方を
走り抜けようとする



ツンツン・・・



コウスケの肩をつついて止める




『?』

『よぉ・・・ぼっちゃん(笑)』





『…にーちゃんだぁれ?』




『…オマエの・・・~ライバルだな?

これから よろしくなっ(笑)♪』





コウスケに肩を組んでささやく

ニンマリと笑って(笑)






言ってる意味がわからないコウスケは
トコトコと走っていった






ガキ相手に
大人気ない対応してみたオレ…(笑)





アイルがようやくオレに気付いたようで

〃あっ〃って顔してオレの方へ来ようとする


〃いい、いい、お客さんのトコ行け〃


と合図して返す


オレは驚いていた



アイルの集める信頼と人望に


…そして





「アイちゃん~健康診断
メタボひっかかってさ~
ランニングすることにしたから
アイちゃん毎日散歩の時
励ましてくれよな~?たのむよ~」





「ったく!飲み過ぎなのよっ
みっともない腹見せないの!
~三日坊主になんないように
アイちゃん監視してやってくれる?」







『ふふっ。はい、わかりました』








アイルの顧客…




この人達の



ごくごく自然な振る舞い、その優しさに





アイルが心苦しくないように
元の生活を変えなくて良いように…
居心地が良いように




アイルが居場所をなくさないように
まるで当たり前みたいに…




自然に振る舞うって
こういうのを言うんだな




この辺の人達はみんな
アイルの家族みたいな人達だ




アイルをよく知っていて
アイルの事が大好きで…



アイルを受け入れてる





数組の顧客を見送って
再びアイルがオレの方を







いや……オレじゃない









斜め前にいる


いつかの常連のおばあさんだ
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