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第30章 それぞれの、生きる場所…
アイルのおかげで

ほぼ毎日、顔は合わせてるけど



オレはオレの事で手一杯で

ちっとも

アイルとの時間を持てなくなっている。




ホントなら…

たまには・・・どこかに連れていったり





気にするな、と言ってくれても


気にするよな…。






『…毎日、往復しんどいだろーが』



『ん・・・・・べつに?』






『まだ・・・寒いしよ』



『べつに…』





『今週の日曜は練習ないから…

~どっか行くか・・・?』





『さむいし…』






『・・・どっちだよ(笑)』





コトン…。





アイルがフォークを置いて

食事をやめてしまう







『今は・・・・・・そゆ時期じゃない…』



『え?』






『ふふ・・・私の心配はいらないって…

言ってるじゃない・・・』








そうは……言ってもよ……。





『半端なことはイヤだって
リョウキ言ったでしょう?

私だって……それなりの
半端じゃない気持ちで言ったの。

だから・・・
今は……本当に

それ以外の心配しないでほしいの…』






『アイル…』





『それに…私、わりと楽しんでるよ?

リョウキは……ちがうの?…ふふっ』









オレは・・・めちゃくちゃ楽しんでるよ?






そして…恐れ入るぜ?アイル。






『何か本当に…困ったコトがあったら
必ずリョウキに相談する。

だから…私の心配しないで…。

私…リョウキが
リョウキの居るべき場所にいる

…そう思えて、それが本当に嬉しいの。

だから…ね
このまま…いさせてくれないかな?…』






『…まいった・・・お前には』








ホントに・・・完敗だ…。






『ふふっ…じゃぁ…日曜日
~近くのカフェに行きたいな、一緒に。
新しいお店みつけたの』





『クス…あぁ、いいよ。もちろん』










…相変わらず欲のない

アイルの小さな望み…。
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