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第5章 呪縛から…解き放て
『あのさ・・・アイ…』



『うち…』






『え・・・』




『〃うち〃・・・で…』






冷たい雨にアイルの細い体が
少し身震いしているように見える





『あぁ…ごめん。・・・じゃぁ…』





少し躊躇われたが
アイルの家に上げてもらった




アイルが渡してくれたタオルで
濡れた頭を拭く




『それ…使って。返さなくて良いから』




ドアに立て掛けた傘を指して言う



早く…行けってことか



そして、二度と会わない気じゃないだろうな…?








アイルとキッチンのテーブルで向かい合う


椅子を引く音だけが響いた








『…ごめんなさい。連絡…しなくて』







『体…大丈夫なの?』




『うん…』






『まぁ…~こう暑くっちゃ

食欲だって失せるよな。・・・ホラ』






買ってきたプリンをテーブルに置いた





アイルは首を少し横に振る






『話・・・って』





『あぁ・・・あのなアイ…』











『…わかってる』









『え?』







『わかってる。もうわかってるから…

もういい。言わなくても』






アイルの部屋は以前来たときと
そう変わってはいないが



机や床に水のペットボトルや
薬が転がっている




少し…乱れた様子





机の薬を取り出して
アイルがコクッと飲み込む


胸をなでるようにして…
リラックスさせるように








『アイ…話をちゃんと聞いて‥?』



『わかってるから…もう帰って…』








『わかってないよ…!

オマエはちっともわかってない』







オレはテーブルの上でアイルの腕を掴んだ









オレは






オレがしたいのは・・・
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