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安田博の性犯罪録
第1章 女子大生・吉田さやか 1

まだ梅雨開け前の7月上旬、安田はハゲ上がって広くなった額に汗をかきながら、駅前のコーヒー店でぬるくなった無糖のアイスコーヒーを飲み干した。もう夕方なのに外は明るく暑い。このコーヒー店は冷房が弱いのが欠点だ。
「いいのがいないな」
つい独り言をつぶやいてしまい、周りを見渡す。獲物を見つける前に怪しまれるわけにはいかない。しかし、誰も彼に気を留める人などいなかった。
安田が獲物を物色するときはスーツを着ることにしている。そのほうが平日にフラフラしていても怪しまれないからだ。傍目からは外回りの中年のサラリーマンにしか見えない。
「今日もなしか」
心のなかで呟く。安田はここ1週間ほど、このコーヒー店で獲物を物色していた。
あれはババア、あれはブス、あれは派手で抵抗されそう…
狙うのは華奢で大人しそうな女だ。彼氏が訪ねてきそうな女は避けたほうがいい。
そうターゲットは慎重に選ばなければならない。
安田がこの場所を選んだのは近くに有名な女子大があるからだった。
この駅周辺はその女子大に通う一人暮らしの女子大生が多い。
そしてそれを見張るにはこのコーヒー店は絶好の位置なのだ。
冷房の効きは我慢するしかない。
この季節にスーツは蒸し暑いな…安田は思った。
しかし、これも1週間来ているせいかだいぶ体になじんできた。
スーツや身の回りのモノの金は就職支援センターからもらった。
就職活動に必要と言えばその費用を支払ってくれる。
犯罪の軍資金が税金から出てるのだ。この皮肉に安田は思わずニヤけそうになった。
安田には前科があった。出所したのは2か月ほど前。夜道を歩く20代女性をそのまま強姦し、金を奪った強盗強姦致傷の罪で懲役8年。模範囚として何事もなく勤め上げた。
性犯罪者が刑務所でいじめに合うというのは都市伝説だったのだと知った。
しかしいくら刑務所の中が快適とはいえ、あの1回で8年は割に合わない。
少なくともどうせ捕まるなら、もっともっと楽しまなければならない。
そう、別に失うものなの何もないのだから、自分の好きなように。
もう一杯コーヒーを飲もうか迷っている安田の目に一人の女が飛び込んできた。
やっと現れた獲物に、今度は安田はニヤけ笑いを隠さなかった。
「いいのがいないな」
つい独り言をつぶやいてしまい、周りを見渡す。獲物を見つける前に怪しまれるわけにはいかない。しかし、誰も彼に気を留める人などいなかった。
安田が獲物を物色するときはスーツを着ることにしている。そのほうが平日にフラフラしていても怪しまれないからだ。傍目からは外回りの中年のサラリーマンにしか見えない。
「今日もなしか」
心のなかで呟く。安田はここ1週間ほど、このコーヒー店で獲物を物色していた。
あれはババア、あれはブス、あれは派手で抵抗されそう…
狙うのは華奢で大人しそうな女だ。彼氏が訪ねてきそうな女は避けたほうがいい。
そうターゲットは慎重に選ばなければならない。
安田がこの場所を選んだのは近くに有名な女子大があるからだった。
この駅周辺はその女子大に通う一人暮らしの女子大生が多い。
そしてそれを見張るにはこのコーヒー店は絶好の位置なのだ。
冷房の効きは我慢するしかない。
この季節にスーツは蒸し暑いな…安田は思った。
しかし、これも1週間来ているせいかだいぶ体になじんできた。
スーツや身の回りのモノの金は就職支援センターからもらった。
就職活動に必要と言えばその費用を支払ってくれる。
犯罪の軍資金が税金から出てるのだ。この皮肉に安田は思わずニヤけそうになった。
安田には前科があった。出所したのは2か月ほど前。夜道を歩く20代女性をそのまま強姦し、金を奪った強盗強姦致傷の罪で懲役8年。模範囚として何事もなく勤め上げた。
性犯罪者が刑務所でいじめに合うというのは都市伝説だったのだと知った。
しかしいくら刑務所の中が快適とはいえ、あの1回で8年は割に合わない。
少なくともどうせ捕まるなら、もっともっと楽しまなければならない。
そう、別に失うものなの何もないのだから、自分の好きなように。
もう一杯コーヒーを飲もうか迷っている安田の目に一人の女が飛び込んできた。
やっと現れた獲物に、今度は安田はニヤけ笑いを隠さなかった。

