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姉ちゃんと○○○
第1章 姉ちゃんをマッサージ
「お帰りなさい」「お帰り」
何ごとも無かったような口ぶりの姉ちゃんと僕。

「ああ重かった」
母ちゃんはそう言って、大きな紙袋をふたつ、リビングの床に置いた。

「大量の買い物ね」
姉ちゃんが母ちゃんに向かって言う。

「日本食の調味料とか、父ちゃんの服とか、いっぱい買ってきたから」
苦笑いする母ちゃん。

海外赴任中の父ちゃんのところに、母ちゃんは明日から訪れるのだ。

明日からは姉ちゃんと僕はふたり暮らしになる。


「そんな大量の買い物なのに、すいぶんと帰ってきたのが早かったね」
僕は母ちゃんに言った。

もっと母ちゃんが帰ってくるのが遅かったら、僕は姉ちゃんと…。

残念だ。
いや…良かったのかもしれない。

僕は人の道を踏み外さなくて良かったのだ。


「買う物はあらかじめ決めていたし、それに、荷物が重すぎて、タクシーを使っちゃったから」
母ちゃんが僕に答える。
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