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月夜の時間
第16章 贈る言葉
「父さん、座ってよ」

リビングにテーブルを囲い親子二人が向き合う。

「仕込みあるんだ、忙しい。」

「少しでいいの。聞いてください。」

「早く言え…。」

「賢治さんがいいの。

私やっぱりあの人以外 隣にいる想像がつかないの。

結婚前提に同棲を許して下さい。」

「…許さねえ」

「…」

パタン…

亜里沙の父は店へと向かった。

やっぱりか…まだ長期戦になるかな…。

「何これ…」

父は店に持っていく筈の鍵を1つ忘れていた。

これが無いと仕込みが進まない。

亜里沙は仕方なく届けることにした。

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