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月夜の時間
第4章 口実
ラーメン屋を出ると星が出ていて

心地のいい涼しい風が吹いていた。

「ラーメン美味しかった。」

「だろ?俺の気に入ってる店。

なんで頭下げてたんだ?

会いたくない知り合いでもいんのか?」

「ちょっとね…。」

鈴虫の鳴く声が心地良い。

「じゃ、私こっち方向だし、また…」

「亜里沙…」

急に賢治の顔が近づいてきた。

触れたのは互いの唇。

「ぁぁぁぁぁあっっ!」

「嫌だったのかよ!」

嫌じゃなかった…でも照れくさくて言えないよ。

「…だって初キスはレモンの味って雑誌で書いてた!

ニンニク臭い時にするなんて最悪!」

「くだらねぇー、そんな事、気にしてんのかよ!

そんな奴にはもっとしてやる!」

ディープキスはしなかったが

賢治は亜里沙に連続でキスをした。

「はっ…もう!息できない!っ」

「鼻で息しろよ、

…まぁそういう可愛いところも好きだ。

彼女になれよ。」



賢治は亜里沙を抱きしめたまま言った。

「…。」

沈黙が少し続き自信なさげに俺じゃだめかとつぶやく

賢治。


「だめ。」

亜里沙は賢治から離れようとする。

「なんで?」

「そ…その…私…まだ…体の経験とか…してないし。」

「処女?」

コクンと頷く亜里沙。

「それがどう関係あるんだよ?」

「大ありでしょ?男子は処女を嫌うって友達から

聞いた。」

「お前まさか この前のコテージの旅行

抱かれたくて参加したの?」

「そうよ。友達の勧めもあったけど。」

「で?」

「何よ?」

「だ、っ…だから誰かと寝たのかよ?」

「…出来なかったの!」

ホッと安心する賢治。

「面倒くさいんじゃないの?何でそんな喜ぶの?」

「バーカ!嬉しいに決まってるだろ?」




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