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月夜の時間
第9章 新生活
「亜里沙!」

賢治は亜里沙を誘い、カフェへ行った。

「…」

ブランクのあるせいか互いに無言の時間が流れる。

昔ならくだらない話ができたのに

今は なかなか言えないっ…

「あ、あの 気をつかって誘ってくれたのよね?

私ならもう大丈夫よ。先、帰るね…」

席を外そうとした亜里沙を止める。

「あ、あ、アップルパイ…受け取れなくてごめん。

俺、どうしてもトラウマがあって。」

「分かってるよ!また昔のこと掘り返さないでよ。」

私はあの時、1番好きな人との別れが

辛かった。気持ちが楽になるまで

どれだけ時間かかったと思ってるの?

まだ

話しにくそうにする賢治の様子に気づいた。


「無理して言わなくていいよ。…じゃあね…」

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