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第5章 4月4日

一般人も、選挙がなくなり、ピラミッドに統治を委ねることで生活が安定、向上することがわかっているので、クーデターを起こすこともない。

最初の２百年は、選民になることに憧れ、学生運動が起きたこともあったが、ピラミッド内部の生活が全く情報として流れてこないし、選民がピラミッドに事実上『幽閉』されていることがわかると羨む者もいなくなった。

一般人の人口増加がなかなか上昇しない中、ピラミッドでも同様の現象が起きていると想像し、ピラミッドにはアンドロイドが増えているのではないかと仮定するものも現れる。

そんな中でピラミッドが自分たちに有益な法制化しか行わないとわかり、政治は興味の対象でなくなり、新聞の政治欄は実質官報となっていったのだ。