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輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第2章 2XXX年4月1日
放り投げられたままになっていたヘッドギアをジャックに差して装着する。
御幸が見ている映像を隣のモニターに映す。学生の対象者の通学シーンなどどうでもよい。
やはり御幸が見ているのは人気アイドルの『3R』だ。
これにお熱をあげているのを親父も知っていて嫌がるのだ。
最初の30分はコンサート映像だ。
『3R』とはリュウ、リョウ、ルイのイケメントリオだ。
バーチャル技術が向上して、今では、現実映像と仮想映像の区別がつかない。
『空白の時代』までは、仮想空間との区別がつかなくなることの社会への影響を考えて、あまりにリアリティーな空間を創ることが規制されていたらしい。
しかし『空白の時代』に規制は緩和され、仮想空間はよりリアリティーを求めるようになった。
結果、現実と仮想映像を区別するために映像の右下に現実はR、仮想にはVを表示することになっている。
ちなみに今御幸が見ている画面の右下にはRが表示されている。
『3R』は3人のイニシャルをとっているだけでなく、三次元のリアル(現実)であるという保証の意味もある国家プロジェクトなのだ。