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第8章 4月7日

正直、対象者の数なんてどうでもよくなっていた。

理郷（リキョウ）…
その名前が引っ掛かる。
それに対して、自分の悠都という名前も…

理想郷、悠久の都…
ユートピア…
彼とどこかで会っている感覚…

思い出せない。
いや、明らかに初対面であるはずなのに、どこかで会っている感覚があるのだ。

そして、対象者が三人ということは、噂が本当であれば、無職者、選民としての階級が同等ということだ。

何より、理郷は俺のことを俺より知っていて、はぐらかしているようにも感じた。

だから、負けられない。この勝負は負けられないのだ。