この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
輪廻 ∞繰り返されるループ∞
第8章 4月7日
「じゃあ始めよう。」
理郷が玉を投げ入れる。
親だからといって何か采配出来る筈はないが、理郷の笑みを見るとドキリとする。
何もかも見透しているように思うのだ。
カラカラと玉が回る。
「ところで悠都、また質問だよ。」
「そうですね、皆さんには恋人やパートナーはいらっしゃいますか?
もしくは、結婚して家族用居住区に住むことについて、どう思われるか…
また、ここでの生活の意義とか…
ちなみに僕は恋人やパートナーを欲しいと思ったこともなく、ましてや家族居住区に住むことなど考えてもいませんでした。
管理対象者を観察することが仕事なんて、楽すぎて、こんな階級に生まれて幸せだと思っていたんです。
でも対象者の生活を見ていて、自分の人生って空っぽだなと、何かどこかに俺が存在する意義があるのではと…
それで先程の質問も今の質問もあるのですが…」