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囚われの天使たち
第2章 支配

男はその反応を楽しむ。奈津子は爪先立ちになっているが、それも限界のようだ。今のペンチの高さに追いつくために、そのしなやかな足は限界まで伸びているし、筋力が持たないのか、やや震えてもいる。精いっぱいつま先立ちをしている証拠に、脹脛の筋肉の筋が浮いて見える。
男はさらにペンチを引っ張りあげた。
「いやあああああああああ!」
奈津子は叫び声をあげ、両腕で懸垂をするように体を持ちあげた。すでに爪先は床から離れている。かわりに、鉄和に固定されたそのか細い両腕を直角に曲げて体重を支えている。今度は二の腕にか弱い筋肉が浮き上がり、ぷるぷると震えていた。
「ううううう……!」
その状態を5分ほど維持した。
奈津子は呼吸を荒くし、体全体を桃色に染めていた。全身にネットリとした汗を浮かべている。
「よし、許してやろう」
男はペンチを離した。
「はあ……はあ……はあ……」
奈津子は全身を弛緩させてぐったりとしている。体を支えているのは、鉄輪に繋がれた両腕のみだ。その両腕に、全身はぶら下がっているといった体だ。それでも気絶はしていないらしい。
男は奈津子の髪をつかむとグイと引っ張って無理やり上を向かせた。顔には生気がない。目尻の垂れた二重の目を半開きにして、開きっぱなしの口からは涎を垂らしている。涎は細い糸を引いて、顎から床に垂れている。
「明日は外に出してやるからな」
男はそう言って、地下室をあとにした。
残された奈津子は、鉄輪にぶら下がったまま気絶した。

