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第10章 かいとの娘リリカ（23）②

　翌日。
　かいとは出張で新幹線に乗る前に、ほんの少しだけマンションに寄ってくれたわ。


「また夜にな」


　と言ってワタシと猫、両方にキスして出て行くかいとを見送ってから、ワタシはゴミ出しするために外へ出たわ。


　ゴミ置き場の横に、見慣れない車が停まってた。
　パープルの軽自動車よ。


　あくびをしながら車の横を通り過ぎ、ゴミ置き場にビニール袋を放り捨てた時だった。



「あの、」



　って、車の中から声を掛けられたの。



　振り向いて、ワタシは息が止まったわ。