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小さな灯りを消さないで…
第1章 500円の命
隣の部屋から、よく女の子の泣き声と母親の怒鳴る声が聞こえる…

『ごめんなさい。お母さん。』
『泣くな!聞こえるだろ!!ほら、罰として、外に出てな!!』

ガラッという音がして、再び母親の声がする。

「ここで、反省してな。」

女の子は、泣きながら窓をバンバン叩いて母親を呼んでいたが、暫くしてそれすらしなくなっていた。

「凄いな。隣って、誰住んでんの?」

久し振りに会った弟の俊希が、俺に心配そうな声で聞く。

「さぁ?俺が知ってるのは、あの家に母親と小学生位の女の子がいるってだけだ。」
「といって、なんか言って逆ギレされたら嫌だしな。」
「うん…。」

窓を開け、隣のベランダを覗くと、小さくはあるが女の子の鼻を啜る音や声が聞こえる。

「これ、渡しても平気か?」

俊希が、蓋を緩めたペットボトルの飲み物を俺に見せ、窓から小さく声を掛けた。

「これ…飲んどけ。暑いから…」

女の子は、ベランダの柵から俺達ふたりをジッと見ていたが、見覚えのある顔を見て、安心したのか柵の隙間から手を伸ばし、ジュースを受け取って、飲み始めた。

「今夜も暑くなりそうだな。」

網戸越しに大空を眺めると、満面の星空。

「じゃ、俺そろそろ帰るわ。」

俊希を玄関先で見送り、ダラダラとテレビを見つつも、耳はベランダからの音を細かく拾っていた。
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