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仕事終わりは癒しの時間
第10章 ご褒美

「あ、コート忘れちゃった。取ってくるね」

先ほどの部屋に戻り、コートを取って、顔の火照りを冷ます。

今日何だか変だ…。
何でこんなドキドキするの!
ライブ観てから山岡さんのことよりカッコ良く見えるから!?
あー、分かんない!

顔の火照りが収まったので、外に出ようとレジの前を通ると、店員さんと店長の話し声が聞こえてきた。

「あの人が彼女じゃなかったんすね」
「なー、最近あいつ『彼女出来た』って喜んでよ…」

え、何、彼女…?
そっか、そうだよね…山岡さん素敵だから…。

「お、お待たせ」
「うん、行こうか」

なんとか平静を装い、薄暗い夜道を少しずれて歩く。

『彼女居るの?』

その一言が聞けなかった。
聞いたら2人の関係が終わってしまうような気がして怖くて言えなかった…。

そして、彼女が居るという現実になぜか胸がモヤモヤし始めた。
そのモヤモヤの正体は私には分からなかった。



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