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第11章 夢

仕事が終わり、帰る準備をしていると、高山さんに声を掛けられ、休憩室に連れて行かれた。

「さっきの、落ち着いた？」
「はい、すみません。あんな姿見せて…」
「ならいいよ。何か買うから、欲しいの言って」

いつものミルクティーを奢ってもらう。
高山さんは何も言わずにこちらを見つめてくる。

「あの、何も聞かないんですか？」
「…人には言いたくないことだってある。それを無理に聞き出そうとはしないよ」
「…ありがとうございます」
「まぁ、あれ見たら大体察したよ…」
「…あはは、すみません」

察しても深く追及してこないのは、高山さんなりの気遣いなのかも知れない。

「高山さん、ありがとうございました」
「俺は何もしてないよ」
「いえ、元気もらいました。もう大丈夫です」
「そう、なら良かった。何かあったら、俺に言ってね」
「はい！」