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仕事終わりは癒しの時間
第13章 来客

3月の中旬になると、仕事が忙しくなり、残業が多くなる。
普段なら嫌になる時期だけど、今の私には丁度いい。
余計な事を考えなくていいから…。

「長野さんちょっと…」

昼休憩に高山さんに呼ばれて、人通りの少ない廊下に連れてこられた。

「あの、何か」
「いきなりごめんね。俺、長野さんのことずっと好きだったんだ。付き合ってくれないか?」
「…えっ?」

い、いきなり告白された!?
高山さんは素敵だけど、ずっと会社の先輩として見てきたから、いきなり異性として見れる?
でも断ったら、気まずくなっちゃう?
どう返事したらいいのか…。

「えっと、その…」
「君のことだから、断ったら今後の仕事で支障が出るとか思ってないか?」
「あっ…」

見破られてたか…。

「教育係から君と接してるから分かってるよ。そんなところも君のいいところだけどね。付き合ってる人が居ないならお試しで付き合う?」
「でも…」

無理矢理吹っ切ったつもりなのに、引きずる思い。
山岡さんのことがまだ心に引っかかってる。
山岡さんのこと思い出す度に、女の人と指輪を見てたシーンが頭にちらつく。



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