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仕事終わりは癒しの時間
第15章 彼を癒した人
「あの、えっと…」
「ふふっ、ごめんな。キスだけで精一杯やんな。すっかり遅なったから、送って行くよ」
冷めたコーヒーを飲み干して、ゆっくりと立ち上がった。
その背中を見ていると、胸の奥が切なくなった。
せっかく思いが通じあったのに、帰るの?
もっと居たい…。
私はもう山岡さんに…
「え…!?」
山岡さんの背中に思いっきり抱き付いて、顔を背中に埋もれさせた。
「茜さん、どうした?」
「まだ…」
「ん?」
「まだ帰りたくない…」
「…っ」
「山岡さん…私まだここに居たいよ」
今、私すごく顔赤いかも。
大胆な発言したから、もし引かれたらどうしよう…。
案の定「はー」と溜め息が聞こえて、やっぱり引かれたと泣きそうになったら、
「あかんよ…我慢してるのに、帰りたくないとか…何もしやんって約束したのに…」
「えっ…」
グイッと身体を抱き寄せられて、彼の唇を強く押し付けられた。
先ほどよりも、強く激しく…。