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第16章 全部委ねて

「ふ…」

ねっとりした感触が指先に伝わり、むず痒いものが身体に走る。
でも、耳を舐められた時とは違って物足りなく感じてしまう。
指だけじゃなくて…

「ふふっ、別のとこ咥えて欲しそうにしてる？」
「えっ!?してないよ…」
「してるよ。『指だけじゃ嫌』って顔。図星かな？」
「やだっ…」

絶対変な顔してる！
顔を見られないように手で覆っても、山岡さんにそれを阻止される。

「可愛い顔もっと見せてよ。俺しか見てへんから、大丈夫…」

見上げれば、いつもの優しい笑顔で触れるだけの優しいキスをくれた。

唇を胸元に寄せて、そっと谷間に口付けを落とす。
柔らかい唇の感触にうっとりしていると、背中に手を回されてブラのホックを外された。

「あ、待って！」

必死のお願いも虚しく、緩んだブラを持ち上げられた。
隠そうとしたら、先に手首を掴まれ露わとなった胸を凝視される。
恥ずかし過ぎて死にそう…。

「あんまり、見ない、で…」
「何で？すごい…綺麗」